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取付ブログ

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トヨタ・ライズ スピーカーの音質アップ

2023-04-01
今日ご紹介する1台は、昨日の宇部店の作業から、トヨタのライズです。



トヨタ純正のディスプレイオーディオ付きのお車に、
朝入庫の夕方納車の日帰りでベーシックパッケージの取付を行いました。



まずはディスプレイオーディオを一度取り外して、裏から音信号を取り出して、
ピュアディオブランドのフルレンジのPSTケーブルでグローブボックス下に送ります。



グローブボックス下には比重の高いMDF板を敷いて、4ピース構成のピュアコンを取り付けます。



値は前に入庫したライズと同じ物を取り付けて、
白いボビンにピンクのラベルのコイルは井川が一から手巻きで仕上げた物です。



ピュアコンからは純正のドアスピーカーにフルレンジ用のPSTケーブルで音を送って、
後から付けたツイーターには赤みがかったツイーター音域専用のPSTケーブルを通します。



ツイーターはJBLのP560の物で、以前乗られていたお車でこのツイーターをお使いで、
そのまま取付で出された様で、前と同じ物が良いという事で、スペア用のユニットを用意してあったので、
それをスタンドを使って取り付けました。



今回がそれかどうかは聞き忘れましたが、
ベーシックパッケージが付いていると買取価格がアップする場合があって、
買取業者の方から「そのまま付けておいて下さい。」と言われる事が多い様です。



そのベーシックパッケージの魅力はドアのスピーカーはそのまま使用しているのに
音質が大きくアップするところで、買取業者さんからはとても好評で、
その好評の理由は次に販売したお客さんから「オーディオの音が良かった!」と喜ばれているからで、
2001年にベーシックを発売を始めた時に、『二次流通も含めてシェアを拡大する』という目標を
20年後に達成した事になります。



全ての結線が終わって音が鳴る様になったら、
ディスプレイオーディオのオーディオ設定をラウドネスオフにしてイコライザー調整を行って、
専務の試聴を行ったら・・



専務から、「お客様はラウドネスを使って聴かれるから、調整をやり直して欲しい。」と言われるので、
ラウドネスをかけて一から調整をやり直しました。



イコライザーをあーでもない、こーでもないと動かして・・



以前のラウドネス無しで調整した時のピュアコンとは値をあれこれと探して、
また別な値の組み合わせを探しました。



コイルを2回交換して、ブラックボックスは6回交換して、
ラウドネスをかけた状態で最も生音・生声に近い組み合わせに辿り着きました。



ベーシックパッケージは見た目は数千円から1万5千円ぐらいのチューンナップスピーカーと
同じ様に見えますが、ピュアコンの開発や製作や、最も良い組み合わせに辿り着くための時間など、
経過も結果も全く違うという事を知って頂きたいと、今回の取付で強く思いました。



今のサウンドピュアディオが出来るまでの40年史+12 第17話 2006年から10年

2023-03-31
今のサウンドピュアディオが出来るまでのシリーズも17回目となり、
遂に2006年の大改革の年の話になりました。



2006年の3月末の今の時期のお話ですが、
2004年の上妻宏光さんのコンサートを聴きに行った時にアンケートに答えたからか、
1枚のハガキが送られて来て、そこには佐賀市文化会館でコンサートがあると書いてありました。



このハガキは運命のハガキで、
2004年のZeppのコンサートで当時のデモカーのレンジローバーの音との差に
モヤモヤとしていながらも何の手立ても無く、
でもお客様に電源キャパシタのデモンストレーションを行えばスイスイと売れるという良い時代でしたが、
心の中で「本当にこれでいいのか?」という疑問もありました。



そのハガキを見て発売日に佐賀市の文化会館に朝一で行って、最前列のチケットを2枚買って、
コンサートの当日は福岡店で一番システムの大きかったお客様と一緒に行って、最前列で生音を楽しみました。



Zeppではマイク・アンプ・スピーカーを使ったPA通しの音だったのですが、
佐賀では遠くのお客さん用に若干のPAが効いているものの、最前列は生音で聴けて、
「これが上妻宏光の演奏なのか!」と、お客様共々感動して帰りました。



ただ当時は電源キャパシタにヘッドキャパシタにスピーカーもRCAもケーブルの末端は
高価なロジウムメッキを使って、これが最高の音!と思っていたのが生音とは違った造作した音で、
それでもナカミチのシステムを使っているからとんでもなく造作している訳ではないけれど、
その後一緒に行かれたお客様は2度とシステムアップする事も移設する事もなく、
サウンドピュアディオから離れて行かれました。



もちろん他の店に移った訳でもなく、カーオーディオというものと生生演奏に差があり過ぎて、
数千円でコンサート会場で音楽を楽しんだ方がよっぽど割安と思われたのでしょう。



これは自分にとってとてもショックで、
その少し前に当社のデモカーをナカミチの小林さんが聴かれた時に、
「これは電源キャパシタが入っていますね?」と聞かれた事があって、
その時に悲しそうな顔をしておられたのを思い出しました。



自分はノリの良い音で若者にウケているから何が悪いんだと思っていましたが、
一度派手な方に走ってしまうと真っ当な音には戻れないという予見が出来ず、
上妻宏光さんの生演奏を聴いた時に以前のナカミチの本社ホールの年に1度の生演奏を思い出して、
それが無くなってから自分は知らないうちに派手な方向に走っていたと後で気が付きました。



ここまで読んで「派手になるのなら別にそれが好きな人が多いなら、そのままでも良いのでは?」と
思われた方もあると思いますが、今考えたら全ての音域が派手に聴こえるのではなくて、弱く聴こえたり、
音色が暗い部分はそこがより目立たなくなって、本来の音楽とは違うノリの良い音と勘違いしていました。



それでも業界全体からするとピュアディオはまだ派手ではない方向で「これはいけない!」と、
上妻宏光さんの演奏を10会場廻ってそれで結論を出そうと、
ファンクラブに入って先行予約でチケットを入手して、実際には9カ月で10会場を廻る事が出来ました。



もうこの頃は毎回握手会に並んでいたので、
上妻宏光さんにも顔を覚えてもらうぐらいのファンになっていて、ある日握手会の列の最後に並んで、
「上妻さん、お願いがあります!」とデモカーを聴いてもらう様にお願いして、
「少し待って下さい。」と上妻さんは一度裏に引っ込まれて、事務所の社長さんに相談されて、
「いいですよ。」という事になってレンジローバーを聴いてもらう事になりました。



運転席に上妻さんで、助手席に自分が座ってイコライザーのリモコンを握りしめて、
「どこか強いとか弱い音域があったら言って下さい。上げ下げしますから。」と言って試聴して頂きました。



そして上妻さんから言われた一言は「似ている部分もありますが、似ていない所もあって、
それはイコライザーの上げる下げるの問題ではないと思います。」と言われました。



自分の中では頭の中にひっかかっていた部分を演奏者の方に言ってもらうとスッキリして、
次の日からキャパシタとロジウムメッキから足を洗うというデモカーを製作しました。



その時点ではファンクラブの会員ではあるけれど仕事上のお付き合いは無くて、
その後ラジオ番組のスポンサーとして付いて、
これがサウンドピュアディオのFM番組のスポンサーの第一弾となり、
翌2007年の1月には山陽小野田市の文化会館で上妻宏光さんとピアノの野崎洋一さんを迎えた
お客様とその家族の方限定のコンサートを開いて、生演奏の良さを知って頂いて、
それに合わせたシステム構築という方向に大きく舵を切る事にしました。



とはいえ、元々ナカミチの本社ホールの生演奏の音を基準に始まったものが、
いつの間にかナカミチの方針が変わって、とにかく売った者勝ちみたいな競争主義に営業部の暴走でなって、
結果的にこの頃はナカミチの上場廃止の時期と重なって、もうメーカーの力には頼らずに、
自らの力で道を切り開かないといけない時代になっていました。



この頃は上妻宏光さんのコラボを前面に出したために、
他店から「あそこは三味線しかきちんと聴こえないみたいだね。」と言われ始めて、
それならとアーティストのお付き合いの幅を増やして来て、
上妻さんつながりでギターの押尾コータローさんとサックスの矢野沙織さんと親しくなって、
押尾さんと矢野さんと仲が良かったDEENの池森秀一さんとも仲良くさせて頂ける様になりました。



特にDEENの池森さんはご自分のお車を宇部店まで陸送して取り付けして頂いて、
東京に納車されてからは自動車雑誌3誌の取材を受けたという事もありました。



その取付の前には東京のスタジオに招待して頂いて、「この音で仕上げて欲しい。」という要望があって、
そこに合わせるために宇部店と福岡店のモニタースピーカーに付いていた高級ホームオーディオ店で買った
クセの強いアクセサリーは全て撤去したという逸話もありました。



更に上妻宏光さんからは尺八の藤原道山さんを紹介されてお付き合いが始まって、
藤原さんからピアノの国府弘子さんを紹介いただいて、お付き合いが始まりました。



国府弘子さんは1990年代の中頃にCDを3枚を使って音調整をしていたというぐらいのファンで、
こういう方はCDのジャケットの写真で見るだけの方と思っていたのが、普通にお話出来る仲になるという、
人間どこでどうつながるか分からないな?と、FMラジオの番組制作を通じて、
音楽業界の方とのお付き合いがどんどん広がって来ました。



それと同時にベーシックコースと呼んでいた2001年に発売した低価格版のシステムを、
ベーシックパッケージと名前を変えてマイナーチェンジを行って、
毎年新車を2・3台買ってパッケージの開発を行って、
イベント会場に並べて来場者に聴いてもらうという手法で販売促進を行いました。



するとこれまで不人気だったベーシックコースは
多くのコイルから店のスタッフが自分の感覚で数値を選ぶが、あらかじめ車両を買って開発を行って、
それに近い車種のデーターを取ってバリエーションを増やすのと、
10年20年とお付き合いのあるお客様には開発に長めに納期を頂くという事で、
一気に人気商品へとチェンジして行きました。



もうこの時点では他のカーオーディオ専門店との競争など頭の中にはなく、
良い音はメーカーから与えられた情報で出すのではなく、
こちらから取りに行かないと手に入れられない事を知り、
CDのジャケットでしかお目にかかれないと思っていたのは自分の思い込みで、
やる気があればどうにかなるものだという事を実感していた時代でした。



トヨタ・ハリアー スピーカーの音質アップ

2023-03-30
今日ご紹介する1台は、現在の宇部店の作業からトヨタのハリアーです。



アルパインのハリアー専用のビッグXを装着した状態で入庫となって、
ベーシックパッケージの取付とフル防振の施工を行いました。



まずはドアの内張を外して、外板裏に3種類の防振マットと、防振メタルを貼り合わせます。



その後でサービスホールを金属シートで塞いで、これから切り口をシリコンで塗って行き、
将来的に剥がれが起きない様に処理します。



またこのシートは金属とラミネートだけで、ブチルゴムを一切含んでいない材質なので、
防振材が太鼓になって低音の量が増えて、本来の音楽の音色以外が加わる事を防いでいます。



また一枚で貼るのではなく、重なる部分を何カ所も設けて、それで剛性を上げていて、
余分な響きが起こらない様に工夫しています。



外した内張は裏側に粗目を付ける加工をして、セメントコーティングを施した後に乾燥させてドアに戻します。



電気関係の作業ではビッグXは一度取り外して、裏から音信号を取り出して、
ピュアディオブランドのPSTケーブルでグローブボックス下に送ります。



グローブボックス下には比重の高いMDF板を敷いて、
その上にオプションのSSFを加えた6ピース構成のピュアコンを取り付けます。



純白のボビンにピンクのラベルは井川が一から手巻きしたコイルで、最初にリハーサルで巻いて、
それで長さを決めて、後でもう一度力を込めてというか、同じ強さでギリギリと巻いて行き、
同じインダクタンスを得るのに最小限の巻き数で高いQ値のコイルを巻きあげています。



ピュアコンで制御された音は、純正の16センチスピーカーと、
ダッシュ上にスタンドを使って取り付けたピュアディオブランドのATX-25に送って、
上質な2WAYスピーカーとして鳴らします。



全ての結線が終わって音が鳴る様になったら、
ビッグXの調整機能とピュアコンの値の微調整で音を追い込んで行きます。



まずは音を強調する機能とタイムコレクションを全てゼロにして・・



イコライザーを調整して行きます。



アルパインは動かす周波数を9カ所選んで、その動かす幅を決めて上下させるパナメトリック式で、
かなり高度なテクニックが必要ですが、最初はかなり上下があったイコライジングも、
ピュアコンの値を細かく変えて行くと、何故かかなりフラットに近いパターンが最も生音・生声に近くなり、
このパターンで調整を終了しました。



入庫時には防振がしてなかったので音が逃げて低音が出ていなかったのが、
方ドア3層のフル防振のおかげで、ブチルゴムで作った音の量でなく、スッキリとした締まった低音ながら、
音楽を体感するのに必要な低音は確保して、イコライザーの一番の低音部分は少し下げているぐらいです。



ドアスピーカーは純正をそのまま使用しながら、ベーシックパッケージとフル防振の効果で、
トレードインスピーカーでは絶対に表現出来ない生演奏ぽいサウンドに仕上がっています。



アウディQ7 スピーカーの音質アップ 後編

2023-03-29
今日ご紹介する1台は、先日の福岡店の完成車から、アウディのQ7の続きです。



外したドアの内張はマスキングして、ツルツルの裏面に粗目を付けて、セメントコーティングを行いました。



インナーパネルの樹脂部分には防振マット1枚と防振メタル2枚を貼って、鈍い響きを抑えています。



プレミアムベーシックパッケージなので、純正の18センチサイズのミッドバスはそのまま使用して・・



ダッシュにワイドスタンドを製作して取り付けたJU60ツイーターを、広い周波数レンジで使用して、
フロント2WAYとして使用しています。



ここまでは自分が乗っていたQ5と同じなのですが、Q7はセンタースピーカーが付いていて、
純正ではステレオ効果が乏しくてかなりセンタースピーカーに頼っていたのが、
ステレオ効果でスピーカーとスピーカーの間に音が浮いて来る様になって、
センタースピーカーが必要以上に鳴るので、アッテネーター回路を使って、適切なレベルまで下げました。



全ての結線が終わって音が鳴る様になったら、
グローブボックス内のプレイヤーにディスクを入れて音を聴いて、
Q7の作業は初めてだったので宇部店から大量にJU60用のピュアコンを持って来て、
あれこれ聴き比べてから最も生音・生声に近くなる値を探しました。



ナビオーディオの調整機能はQ5と同じで、Q5とeトロンの両方でデモカーを作っていた実績を活かして、
Q7のプレミアムベーシックを完成させました。



大きなドアポケットの内側にも防振メタルを片側2枚貼って、音質以外に静粛性と断熱性もアップした、
特別なアウディQ7が完成しました。



アウディQ7 スピーカーの音質アップ 前編

2023-03-27
今日ご紹介する1台は、先日の福岡店の作業から、アウディのQ7です。



ポップアップ式の専用ナビオーディオを装着したお車に、
JU60を使ったプレミアムベーシックパッケージの取付と、
ベーシック防振とセメントコーティングの施工を行いました。



Q7の取付は初めてですが、当社にはQ7よりは少し小さめのeトロンのデモカーがあり・・



その前はQ5のデモカーがあったので、その両方の要素があるQ7のオーディオですから、
当初はけっこう簡単に仕上がると思っていました。



実際にはそれなりの工期がかかったのですが、
形が近い2台のデモカーを持っていなければもっと時間がかかったか、
今回の納期だともっと完成度が低かったのが、本当に買っていて良かったというぐらいの難度がありました。



操作パネルはQ5に似ていて、システムはQ5とeトロンの中間ぐらいの構成で、
内張はQ5ともeトロンとも違う形状でした。



お客様は大型のSUVで荷物を積んで遠出をされるのに、オーディオの音がストレスが溜まる感じで、
なぜストレスが溜まる音になっているかをeトロンのシステムでデモして、納得して頂いて入庫となりました。



作業はまずドアの内張を外して、ベーシック防振の施工からかかりました。



部分的に工場装着の防振材が貼ってあって、
外板裏を指ではじきながら防振材を貼る位置と貼る材質を決めて行きます。



Q7の入庫は初めてなので、調査の結果を手順書に書き込んで、次の取付に活かす様にします。



アウディはドアの鉄板はけっこう固くて、ここに貼る防振材の枚数は少なくていいのですが、
インナーパネルの樹脂がけっこう鳴るので、このパネルだけで3枚の防振材を使用します。



今日はここまでで、続きは後編でお届け致します。



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