取付ブログ
レクサスHS スピーカーの音質アップ
2022-11-05
今日ご紹介する1台は、昨日の宇部店の完成車から、レクサスのHSです。
ポップアップ式の専用ディスプレイのナビオーディオ付き車に、
プレミアムベーシックパッケージの取り付けと、ドア防振の施工を行いました。
ドアが低音でダッシュのスコーカーで中高音を鳴らす2WAYの独立アンプのお車を、
ダッシュにワイドスタンドを製作して、JU60を使ったベーシックパッケージ化して行きます。
まずはマスキングを行ってワイドスタンドを製作します。
ドアの方は内張を外して、外板裏の響きを確かめて、どこに何の材料をい貼るかをマーキングして、
防振マットと防振メタルを貼り合わせました。
外した内張はマスキングして、セメントコーティングの施工を行った後に乾燥させてからドアに組み付けます。
ドアの作業が完了した頃にはワイドスタンドが仕上がっていて、スコーカーから高音を独立させて、
高音質な3WAYスピーカーとレクサスの純正システムが生まれ変わりました。
フロントスピーカーの音域分けとレベル調整とインピーダンス調整を行うのは
グローブボックス下に取り付けたピュアコンで、今回は8ピース構成のピュアコンで3WAYの音域を
整えています。
そしてピュアコンの調整で音を追い込んで、
最後の最後にナビオーディオの3トーンとフェダーで音を調整して、お客様に納車出来る準備に入ります。
レクサスにはサラウンドとALSのコントロールが付いていて、
入庫時は両方ともオンになっていましたが、滑らかに正確に音楽を聴くには両方ともオフが最適で、
ジャズをメインに聴かれるお客様にはこちらが良いだろうと選択をして調整を終了しました。
LSのデモカーの音を聴いて購入を決めて頂いていて、
ちょうどLSのフロントスピーカーの構成ともパネルの調整内容も同じで、
純正のユニットの差はあるものの、JU60のワイドレンジの正確な音色をプラスして、
かなりリアルな音が再生出来るシステムに仕上がりました。
アウディTTクーペ スピーカーの音質アップ 後編
2022-11-04
今日ご紹介する1台は、昨日の宇部店の完成車から、アウディのTTクーペです。
ディスプレイ表示がメーターパネル内に表示される専用オーディオ付きのお車に、
プレミアムベーシックパッケージの取付と、ドア防振の施工を行いました。
グローブボックス内のプレイヤー部を一度取り外して、裏から音信号を取り出して、
ピュアディオブランドのPSTケーブルに繋いで、グローブボックス下まで送ります。
ダッシュにはワイドスタンドを製作して、JU60ツイーターを取り付けました。
ドアの内張には粗目を付ける下処理が終わって、セメントコーティングを行って、
乾燥を待つ間にドアのサービスホールとインナーパネルに金属シートを貼り付ける防振を行います。
内張りを元に戻せばノーマルよりはるかに残響が少ないドアに変わって、
純正のミッドバスの音にキレが増しまして、ダッシュのJU60と合わせて
プレミアムベーシックパッケージが完成しました。
グローブボックス下には5ピース構成のピュアコンを取り付けて一度音を聴いてみて・・
それからパーツの値を変えたりユニットを増やしたりして、最終的に9ピース構成のピュアコンになりました。
途中で専務に試聴してもらいながら値とパーツ点数を決めて行ったのですが、
SSFという低音の一番下を抑えるパーツが、元々低音が不足気味だから付けなくていいと言っていたのが、
実際に出来らない低音を抑える音によって、それより上の低音が生き生きとなる様になって、
「なぜ低音を抑えたのに低音が出る様になったのか?」と不思議そうにしていました。
これは以前のデモカーのアウディQ5で培った技術で、
同じオーディオ構成のTTクーペには確実に効果が出た様です。
見慣れたパネル内容のサウンド調整を駆使して、生音・生声に近いアウディTTクーペが完成しました。
アウディTTクーペ スピーカーの音質アップ 前編
2022-11-03
今日ご紹介する1台は、先日の宇部店の作業から、アウディのTTクーペです。
このモデルからはダッシュのモニター部分が無くなって、
オーディオなどの情報は全てメーターパネルに表示が出る様になっています。
しかしその一方でグローブボックス内にはプレイヤー部があり、ディスクの再生が可能でありがたい仕様です。
入庫したらまず井川家長男がスペアナでモノラルの音測定を行ってから作業に入ります。
ドアスピーカーは16センチのミッドバスとスコーカーのグリルが付いていて・・
中はミッドバスのみでスコーカーは付いておらず、以前デモカーであったQ5と同じ内容になっています。
ダッシュは上向きの大きめのツイーターが付いていて、2WAY構成となっています。
ここをマスキングしてワイドスタンドをこれから製作して、
JU60を使ったプレミアムベーシックパッケージの取付を行います。
ドアの内張は外して、吸音フェルトを一度取り外して・・
内張りをマスキングした後に粗目を付ける作業を行って、これからセメントコーティングの施工に入ります。
今日はここまでで、続きは後編で後日お届け致します。
トヨタ・スペイド カーオーディオの音質アップ
2022-11-02
今日ご紹介する1台は、昨日の福岡店の完成車からトヨタのスペイドです。
福岡店は火曜日と水曜日がお休みですが、休日出勤して音を調整を行いました。
自分は経営者なので働き方改革の対象外なので、いくら働いても問題はありません。
スペイドはデンソーTENイクリプスのナビオーディオが装着された状態で入庫となって、
ベーシックパッケージとパワードのウーファーの取付をさせて頂いていたところからのシステムアップを
行いました。
スペイドはドアスピーカーが付いていないお車で・・
ダッシュに10センチのフルレンジスピーカーが付いている横に
ピュアディオブランドのATX-25ツイーターを取り付けて、2WAYスピーカーにして、
高音域を伸ばして、更にガラスの反射の無い綺麗な高音を再生させています。
ダッシュの10センチスピーカーでは低音が足りないので、
運転席下にミューディメイションの8インチのパワードのウーファーを取り付けて、
前回りで3WAYのシステム+リアのフルレンジスピーカーを残響音的な鳴らし方で一度完成させていました。
ピュアコンはウーファー音域も考慮して6ピース構成の物を取り付けて完結していました。
そしてしばらくしてスペイドのお客様から、
「もっと音を良くする方法はありませんか?」というご要望があって、
JBLの10センチの2WAYのセンターのツイーターを鳴らなくして、
10センチのミッドとして使用して、中音域の音質をアップさせる事になりました。
スピーカーを交換しただけに思えても、ミッドのインピーダンスと上限周波数と、
組み合わせた時の合成インピーダンスも変わるために、棚のパーツをあれこれと付け替えて、
最も生音・生声になる組み合わせを探りました。
それと同時にイクリプスのナビのイコライザー調整を行って、
一見グラフィック方式に見えるこのイコライザーは実はパナメトリック式で、
7つのバンドの1か所で3・4ポイント周波数が変えられて、
更にその周波数を上下に動かす幅が3パターン変えられるという、
かなりややこしい調整を行わないといけません。
そしてブラックボックスとコイルなどをあれこれと交換して、生音に近い組み合わせを探りましたが、
実は音色だけでなく本来の音楽の状態に合わせようとすると、自然と体感音圧も上がって来るから不思議です。
無理くり体感音圧を上げるのではなくて、自然に音圧が上がって来ると、体に染み入る様な感覚になり、
全ての音域が均等に体感出来るという幸せを感じる事が出来ます。
今のサウンドピュアディオが出来るまでの40年史+12
2022-10-31
今年の10月10日で宇部市にカーオーディオ専門店をオープンさせてから40年が経って、
その40年史にお店をオープンさせる前の12年を含めた歴史を紹介するシリーズの第二弾で、
今回は1973年から75年ぐらいまでの中学生活について書き込みたいと思います。
小学校の時に筆記式の試験でアマチュア無線の資格をとったものの、
それで調子に乗ってが普通の勉強をしなかったために成績が下がり、
それで無線機が買ってもらえずに何となく過ごしていた中学1年生の時に、
一緒に試験を受けて落ちた友達はその後勉強を頑張って私立の中学に行き、
一時的な勝ち組・負け組が逆転したというのが前回の終わりでした。
もう無線などという事には縁がないだろうと思っていましたが、
組み立てラジオなどを作って電子工作は続けていて、
8センチと16センチのスピーカーユニットを組み合わせて、
2WAYもどきのスピーカーシステムなどを作ったりしていて、
FM福岡をノイズレスで聴くためにきちんと波長計算したアンテナも作っていて、
どちらかというとオーディオ的な工作の方を行っていました。
しかし中学1年生の後半に運命が変わって来て、2年生の生徒が4人もアマチュア無線の免許を取って、
それで開局する事になったので、そこに便乗して親が無線機を買ってくれると言い出したので、
これ幸いに買ってもらう事にしました。
当時は中学生・高校生は50メガヘルツからアマチュア無線を始めるというのが一つのブームになっていて、
2年生はみんな出力3ワットのポータブル機を買ってもらっていて、
自分は無線機の選択を全て親に任せていたら、10ワットの固定機を買って来ていました。
これが大きな間違いで、電池で移動運用が出来る3ワット機に比べて、
10ワットの固定機では持ち運べないので、先輩が山の上から電波を出しているのを家で聞いて、
「移動出来る機械がいいな。」と思っていました。
50メガはほとんどが学生なので固定機が売れずに、
父親が代わりに買いに行ったのでこれ幸いにと売れない固定機を買わされたではないかと思っても後の祭りで、
家から飛ぶ範囲は決まっていて、たまに強い電離層反射が起こると関東や東北まで届いて、
でもそんな遠い所とたまに話せてもあまり面白くないと、悶々とした状態が続いていました。
そんな中学1年生が最初の間違いを起こして、
その時の無線機は固定機ながら12・5Vの安定化電源で動かす無線機で、
その電源装置のボルトを上げたら出力が増えて少しでも遠くに飛ぶのではないかという考えになって・・
電圧調整をマックスまで上げて運用していました。
(電源は当時の物とは違います)
ところがそれが中学生の浅知恵で、アンテナと無線機の整合性を上げずに電源電圧だけ上げると、
パワートランジスタに無理が行って、最後にトランジスタがパンクしてしまい、
当時のお金で2800円の部品を交換しないといけなくなって、ほぼ1か月のお小遣いが飛んでしまうという、
とても痛い経験をしました。
しかしこの経験が後のピュアコンを生む根源になっていて、無理してパワーを上げるのではなく、
無線機からアンテナに送る電波をアンテナのマッチングを良くして100%放出出来る様にして、
パワーを上げなくても遠くに電波を飛ばす方法を考えるという方向転換するきっかけになったからです。
次にお小遣いをためて無線機屋さんに行って、測定器を買って、
無線機から出力された電波がいかに効率良く放出されているか測るSWR計を買って、
それからはメーターとのにらめっこをしていましたが、もう1つインピーダンスメーターという物があって、
これは当時の価格で7万円ぐらいして、とても買える物ではなかったので、
インピーダンスがSWR値が下がっているからこのぐらいだろうと予測する、
今のピュアコンの調整の基礎となる直感を養う訓練みたいな事をしていたのは、
自分としては全く意識などしておらず、単なる技術的な興味だけと、
お金が無い分時間を使って延々と組合わせを変えるという作業をしていました。
そのうちに親戚の社会人のお兄さんが、
固定機で移動出来ないからとトリオのTR-1200という1ワットのポータブル機を貸してくれて、
これが困った事にスケルチというFMの局間雑音のザーを止める回路が付いておらず、
相手が見つかるまでザーという音を聞くか、
ボリュームを小さくして誰かが呼んだか分からない様な不便な無線機で、
無線の本を読んでいたらこのTR-1200にスケルチ回路を追加する記事が載っていて、
パーツ屋さんで穴あき基盤と部品を買って来て、見事にスケルチ回路が付いたTR-1200で、
山の上で運用出来る様になりました。
これが自分の電子工作で、キットではない基盤のここにこの部品を付けるというガイドの付いていない基盤で
工作した第一歩となりました。
中学2年になった時には小6の弟がアマチュア無線の免許を取って、
この時は既に試験が四者択一になっていたので合格率は格段に上がっていて、
自分が50メガの無線機を持っていたので、弟は144メガの無線機を買ってもらっていました。
ところがこの144メガヘルツは50メガの学生中心から、
社会人の人が車に付けて交信しているという全くユーザー層が違っていて、
これは面白いと自分が弟用に親が買った無線機を自分が独占して、
それで社会人の人の車と交信して、自分は144メガの車載器を自転車の前かごに積んで、
小型のバッテリーアンテナを後ろの荷台に付けてそれで移動運用して、
お互いに場所を打ち合わせて実際に会う事が出来るというスタイルに無線の運用が変わって行きました。
これはこれまではどんな人の声かが分からなかったのが、本人の生声を聞く事が出来て、
性能の悪い無線機やスピーカーでは声が違って聞こえるというのが分かって、
より良い音で聞けるといのも一つのポイントになって来ました。
弟用に買っていた無線はアイコムのIC-22というカートランシ―バーで、
これもなぜ学生なのにポータブル機ではないのか?という不思議な選択で、
父親が同じ無線機屋さんで買って来たので、店の勧められるままで買ったのでしょうが、
逆に運の良い事に受信音だけはポータブル機に比べれば良くて、
外部スピーカーを工夫すれば交信相手の生の声に近い音を再生出来て、
ここが生声を表現する原点になっていると思います。
この頃の交信相手の社会人の方が付けていたアンテナに、ドイツのビジー製のAF-10という
優れたモデルがあって・・
トランクや屋根に穴を開けて付ける、アメリカのパトカーやラリーカーに付いている
あのアンテナを付けておられる方がおられました。
そのビジーのアンテナのコイルは同じインダクタンスでもQ値が高く、
国産の144メガの8分の5波長のアンテナでジリジリノイズが混じるのが、
このアンテナだとノイズレスで受信出来るという優れ物でした。
当時自分は144メガの8分の5波長と50メガの4分の1波長の両方に同調出来るアンテナを
自分で作ろうとしていて、ビジーのQの高いコイルを目標にしていて、
来る日も来る日もコイルを巻いては実験して、測定して結果が悪ければまたほどいてを繰り返していて、
あのビジーのコイルの性能の憎たらしい事と、その社会人の人と会ったらビジーのコイル部分を
じっと見ていました。
自分がコイルを巻く時にはいつもこの中学生の時のコイル巻きの事を思い出すために、
2年前に偶然に福岡の無線機屋さんでAF-10を見つけた時に買って帰って、
仕事の前にこのコイルのQを目指した時の中学生の時の純真な心を忘れない様に目の前に置いて
仕事をしていました。
同じインダクタンスでも高いQでという中学生の意地みたいなものが、
知らないうちに身に付いていて、まさか将来カーオーディオの仕事に就いて役に立つとは知らずに、
何か壁に当たったら無我夢中でそれを何とか解決するという、
そういう電子工作にかける気持ちは10代の時も60になっても変わりません。
ただこの頃に原音に忠実に受信するという工夫をしながらも、
他校の女子生徒の無線家が出て来ると、ちょっといいカッコがしたくなって、
社会人の人がエコーマシーンを使って若干の残響を付けて喋っているのがカッコいいと思って、
それでマイクと無線機の間に自作のエコーマシーンを作って入れるという、完全な邪道に走った時期もあり、
どの方法で遅延させるか?それでいて中学生の小遣いで出来る内容という、かなりチープな物が出来てしまい、
直ぐに使わなくなってしまいました。
そんな余分な費用を使ってしまい、本来の遠くに電波を飛ばすという方向に戻った時には予算が減って、
田舎の無線機屋さんで当時1メートル180円していたインピーダンスが5D-2Vのケーブルが買えず、
メートル当たり100円も安いテレビ用のインピーダンスが75Ωの5C-2Vを使って、何んとか
アンテナ側で工夫して無線機側から見て75Ωに近くなるという、学生ならではの努力をしていました。
自分はアマチュア無線は37年間やめていて、何十年ぶりかに当時中学生同士だった人と交信して、
インピーダンスを変換した自作のアンテナで美祢市から八幡西区まで電波を飛ばして、
あの頃はお金が無かったからあんな努力をしていた、と昔話をしていました。
このお金が無くて何とかインピーダンス変換していたというのが、
ピュアコンのインピーダンス変換技術に直結していて、
学生時代の失敗とそれを乗り越えての成功の繰り返しで、体の中に知らない間に取り込んでいた様です。
井川のブログはオーディオとは関係ない無線の話が良く出て来ると思われる方もあると思いますが、
他店が気付かない部分に気付いてそこを改善して良い音を再生させているのは、
この様な実験を幼い頃から繰り返して来たからに他ならないでしょう。
37年間やめていた無線を再開して、当時の気持ちが蘇って来て、基本に一度持って新しい技術を
構築しようとしています。
この『今のサウンドピュアディオが出来るまでの40年史+12』は、
2回でやっとスタートから5年が経過したまで進んでいますが、2022年までに何回で最終回になるか、
書き込んでいる自分にも想像が付きません。