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取付ブログ

今のサウンドピュアディオが出来るまでの40年史+12 

2022-11-14
10月10日でカーオーディオ専門店をオープンしてから40年となり、
その歴史を振り返るこのシリーズは今回で3回目で、
現在はその前の12年の学生時代の電子工作や無線で波長を合わせるとか
インピーダンスの整合性を上げるなどの技術の基礎を学んでいる部分の続きを書き込まさせて頂いています。



これまでのブログと重複している部分も多々ありますが、当社の歴史の集大成という事でご容赦下さい。



それでは前回の続きに入って、中学時代はアマチュア無線を主に電子工作に明け暮れて、
でも同級生にアマチュア無線の免許を持っている友達がいなかったので、
27メガヘルツの0・5ワットのトランシーバーを友達と一緒に買って、
それでライセンスフリーの無線をしながらアマチュア無線にクラスアップしてもらっていたら、
自宅から左の方の低い山を越えた向こうの秋芳南中学の学生が何人か27メガの0・5ワットの
トランシーバーで交信相手を探していて、一気に他校の中学生と仲良くなりました。



当時は秋芳町は美祢市ではなくて美祢郡で、それなのに美祢市には無い電子パーツを売っているお店があって、
そのせいで美祢郡の中学生の方が電子工作に優れている学生が多く、
自分も負けじと秋芳町の電子パーツを売っているお店に自転車で30分以上かけて通い、
そこで他校の生徒と「自分はこんな物を作った。」みたいな情報交換をしていました。



中学を卒業した井川少年は相変わらず学校の勉強は好きでなく、大学に進学するつもりは無くて、
高校を卒業したら電気メーカーの工場に就職しようと工業高校の電気科に進学していました。



そんな高校1年生のある日に、けっこう強い電波が145メガヘルツで聞こえて来て、
交信をしてみると自宅から右の方の山を2つ越えた所の厚狭郡楠木町という所で
同じ年の高校生がアマチュア無線を始めて、年が同じという事で直ぐに仲良くなりました。



そのK君とはやたらと気が合って、
当時お互いに4級だったのを一緒に勉強して3級の試験を受けに山陽本線と新幹線を乗り継いで広島に行き、
3級に合格したら次は2級を受けようと無線で問題を出し合ったり、モールス信号の練習をしていました。



3級の試験はそれほど難しくなかったのですが、2級からは一気に難しくなり、
3級で1分間25文字のモールスの送受信の試験が、2級では1分間45文字と早くなり、
今の2級の試験はテスト用紙に頂点と短点が書いてあり、
それを読んで符号を書くというかなり簡単な試験になっていて、途中で受信のみに変わった時期もあるので、
モールス部分は2段階で簡単になる前の一番難しい時期に苦労して合格したのでした。



もちろん無線工学もかなり難しく、3級が四者択一試験なのに2級は当時筆記式試験で、
横長の四角の中に答えを記入しないといけなかったので、理論が分かっていないと合格は難しく、
小学6年生の時に受けた当時は筆記式だった4級の試験以上に苦労をしました。



よく若い時の苦労は買ってでもしろという言葉がありますが、当時は理論を覚える事に夢中で、
それが先々こんなに役立つとは全く考えていませんでした。



その難しい2級の無線工学の勉強を進学校に通っていたK君は、
自分が3回か4回読んでやっと覚えられるのを、1回か2回読めば覚えられるので、
「彼は頭がいいな。」といつもぜーぜー言い名が後を付いて行くみたいな感じで勉強していました。



そんなK君とはやたらと気が合っていたので、
高校生の2人で色々と話し合って社会人の人も驚く様な計画を立てて、
その第一弾が今毎週土曜日の夜にやっている無線の実験の、
ロールコールという方式を山口県で最初に高校生の2人が考案しました。



もちろん高校生だけでは計画は実行出来ず、社会人の方に4人に協力して頂いて、
自分が社会人の人に車で山頂に連れて行ってもらって、キー局という司会進行を行って、
K君は自宅から指向性のある高性能アンテナでそれを補佐するコントロール局を行うという計画で、
当時145メガのアマチュア無線の発展に貢献していました。



それだけでは飽き足らず、夏休みには下関市の華山の標高700メートルの所に
K君の10エレメント並列スタックと、自分の10エレメントのクロスの並列のスタックを2セット上げて、
障害物が無い状態で特性がどう違うかという実験を行う事にしました。



当時の写真は残っていないので、現在の実験用のアンテナで説明しますと、
テレビのアンテナの様に指向性のある物を2本並列に並べるのがスタックで、
50Ωのアンテナを2本つなぐとインピーダンスが変わるので、これを整合器を使って50Ωにします。



これはテレビ用のクロスアンテナですが、これをスタックにすると
4本の50Ωのアンテナを並列接続して50Ωにインピーダンスを合わせるのと同じで、
山を越して飛んでくる電波は偏波面がズレるので感度が上がるが、
山の上で障害物が無い所で偏波面の乱れが無いと、逆に50Ωを4本合成して50Ωに合わせると、
逆にロスが出て通常のスタックの方が有利ではないかという実験でした。



今行っている351メガヘルツの8エレメントスタックが1本のエレメントの長さが80センチで、
145メガヘルツだと1メートルあるのでこれの2・5倍の大きさで、
それを2セット700メートルの山の上に上げるなど高校生2人に出来る訳がありません。



そこで社会人の方4人に手伝って頂いて、車4台で移動して山頂で一晩テントを張って実験を行いました。



手伝って頂いた方もよく高校生のバカげた実験に付き合って頂いて、ガソリン代も何も払っていなくて、
無償で手伝って頂いて非常にわがままな高校生2人だったと思います。



机上の空論ではなくて、これはどうなるんだろう?という高校生2人の
大胆な実験に協力して頂いた社会人の方には大変感謝しています。



これとこれをこういう条件で比べたらどうなるんだろう?という、
納得行くまでとことん実験した高校生のうちの一人は、
受験勉強ばかりせずに自分との実験に付き合ってくれたものの、現役で京都大学に合格して、
その後電波とか電子を超えた更に深い分野の研究に進んで、
30代で助教授になって、40代で教授になって、50代では神戸大学に転籍して教授を続けていました。



華山の実験から何十年も経って、それから1度も足を運ぶ事が無かったのですが、
今年の5月にそんな高校生の時を思い出して、狭い山道をNボックス・カスタムに乗って登りました。



そういう自分も波長を同調させるとか、インピーダンスの整合性を正確に合わせるなど、
桁数は違っても今の仕事にはとても役に立っていて、
誰も出来ない領域の正確な音色を表現出来る根源になっていると感じていて、
当時お世話になった社会人の方の様に、学生の優れた技術者の卵を育てる活動を近年行っています。


高校生時代の話は他にもまだあるので、時間は別な角度から見た高校生時代の話を書き込みたいと思います。



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