取付ブログ
ホンダNワゴン カーオーディオの音質アップ 後編
今日ご紹介する1台は、本日の宇部店の完成車から、ホンダのNワゴンです。
ホンダ純正のギャザーズのナビオーディオを使って、フロント2WAYのスピーカーの取付と、
ドア防振の作業を行っています。
昨日の朝の時点ではフロントの2層の防振と、リアのベーシック防振までが完成していました。
フロントは更に内張裏にセメントコーティングの施工を行って、方ドア3層のフル防振の施工となりました。
表にはアウター・スラントのバッフルを製作して、ピュアディオブランドのZSP-MIDを
前のお車から移設して取り付けました。
ツイーターは前の前のお車の時にベーシックパッケージ用で購入された
JBLの508GTIのツイーターで、もう10数年使用されていますが、
まだアッテネーターでレベルを下げてマッチングを取るぐらい元気に鳴っています。
無茶な鳴らし方をするとスピーカーの寿命は短くなりますが、丁寧な鳴らし方と、
夏にサンシェードなどで熱対策をしていると寿命は長くなります。
純正ナビは一度インパネを分解して取り外して、裏からピュアディオブランドのPSTケーブルで
音信号を取り出します。
いかにも音がロスしませんという見た目ですが、見た目だけでなく使っている銅の純度の高さや、
より線をぎっちりとよっているのと、外のビニールの被覆をきつく押さえているなど、
細かい部分を指定して、同じ様な見た目のケーブルよりも性能を上げています。
音信号はグローブボックス下まで送り、最初に6ピース構成のピュアコンで調整を行った後に
パーツを増やして、最終的に8ピース構成にしてから閉じました。
純正ナビの中身はダイヤトーン製で、けっこう音は派手でクセが強く、
色々な音を強調する機能は全てオフにしてからサウンドセッティングに入りました。
イコライザーはパッケージされているフラットと、
カスタムをフラットにして使うので音が微妙に違って、
以前にカスタムの状態のフラットが一番音が自然だった事があるのですが、
今回はフラットでもまだ音がきつく感じたので・・
20バンドのイコライザーのうちの8バンドを1クリックづつ下げました。
それでも100%クセが取れなかったので、ピュアコンのブラックボックスをワンオフで
インピーダンスをやや高めの物を製作して、少し音に重みを持たせてバランスを取りました。
もう10数年お付き合いを頂いていて、3台目のお車で、しかも音楽好きでボーカリストの方に
実際に会って生の声を知っておられる方ですから、かなり苦労して生音・生声に近くなる様に努力しました。
ホンダNワゴン カーオーディオの音質アップ 前編
今日ご紹介する1台は、現在の宇部店の作業から、ホンダのNワゴンです。
ホンダ純正の大画面ナビオーディオが装着された状態で入庫となって、
スピーカーの交換とドア防振の作業を行っています。
まずはドアの内張を外して、フロントドアのベーシック防振を行います。
以前に作業を行った時のデーターを元に、指定された場所に指定された材質を貼って行きます。
リアドアにもベーシック防振の施工を行いますが、以前の作業はフロントのみだったので、
リアのデーターが無いために、響きの中心と響く周波数を調べて、どこにどの材質を貼るかを調査します。
響きの中心にどの材質を貼るかをマーキングして、これから防振材を貼って行きます。
フロントドアにはサービスホールを金属シートで貼る防振も行って、
金属シートの切り口は全てシリコンでシールして、酸化と将来の剥がれを防止しています。
ドアスピーカーは13センチサイズに交換するので、純正の16センチは取り外します。
車室内からピュアディオブランドのPSTケーブルを引いて来ます。
ダッシュの上からはPSTケーブルのツイーター音域用の物を下に垂らして行って、
グローブボックス下のピュアコンまで送って行きます。
今日はここまでしか進んでいないので、また後日後半を掲載したいと思います。
ある日の福岡店で
福岡店の店内デモカーの後ろに、自分がハンダ付けなどを行っている机があります。
店内デモカーはワゴンR⇒デイズ⇒Nボックス⇒Nワゴンと変わって来て、
現在はスバルのステラが店内に入っています。
先日ここで作業をしていたら親しいお客様が仕事風景を見られて、
「本当に沢山クリップしてハンダされているんですね!」と驚かれて、
「はい、本当にやっています。ブログの撮影用にその時だけという事はありません。」と答えました。
元々はコンデンサーを並列接続すると音が悪くなった様な気がして、
左右の2本を探すのに数百本から選ぶという事を行っていたのですが、
それでも希望の値が見つからず、それで並列接続で規格に無い値を作り出そうとしたのですが、
コンデンサを2個合わせるとそれぞれが押されると単品よりも容量がやや上がる事が分かって、
更に熱が加わると容量が上がり、想定している値とかなり変わると思ったら、
今度は冷えて来たらどんどん容量が下がって来ました。
まあ下がると言ってもメーカーの誤差範囲の話ですけど、
その誤差範囲の中で音決めをしているので、それで熱が加わり難くして容量を上げない様にして、
その反発で冷えて容量が減るという事も防げて、狙った容量で合成出来るという手法で作業を行っています。
それともう一つお客様が言われていたのが、
「4桁シリーズって言うけど、本当に4桁で合わせているんですね!」という事で、
4桁の桁まで測定して、それで4桁で左右を合わせているので、
これもブログの撮影用ではなくて、全個数4桁のペアリングを行って、
4桁目の数字の上下で細かい音の描写を可能にしています。
普通はお見せしていませんが、4桁のピュアコンを買われたばかりだったので、
こうやって4桁のピュアコンが生まれて、このぐらいの数字の差で音が変わるとご説明しました。
以前から井川ブログを御覧の方なら既にお気づきと思われますが、
福岡店の作業のブログ掲載がここ数か月増えて来て、実は取付台数は過去最高となっています。
そのためピュアコンの製作数も増えて来て、
一部の作業を自分ではなくて社員にしてもらう事にしていたのですが・・
微妙なハンダ付けの熱の入れ方・抜き方の差で、全て検査落ちとする事になって、
24金メッキのギボシは全て捨てて自分が新しく付け直してお客様のお車に取付ています。
こちらのツイーターのレベル調整のパーツも全て検査落ちとして廃棄します。
普通に導通はしていて、接触不良などは全く起こらないのですが、
歌っている本人の生声と微妙に差があるという事で、普通は問題なく使用出来る物を検査落ちとしています。
ただここまでやって来て、指導しても出来ない理由が分かりました。
それはインプットとアウトプットの関係を社員は知らないという事で、
自分はかなりの人数のボーカリストにお会いして生の声を知っていて、
更に取り付けた時の完成車の音を聴いています。
自分の耳で聞いたボーカリストの生声と、最後の音調整の時に聴こえる再生音で、
長年かけて「この熱し方で、この熱の抜き方が一番生の音に近くなる。」と、
直感で感じながらハンダ付けを行っていて、それを社員に教えて仕上がりはこの色艶でと、
ハンダ小手も10万円ぐらいする物で電子制御で温度調整しても、
小手を当てるタイミングと、エアーを当てて熱を抜くタイミングも絶妙で、
テレビで名刀を作るシーンを見た時に、「あー、名人の熱の加え方と抜き方と自分の仕事は似ている。」
と思って、もう社員にハンダ付けをさせるのは諦めました。
実際にJU60用のピュアコンは今4桁表記になっていますが、
ベーシックパッケージが現在は3桁表記となって、
以前にJU60で使っていた精度でベーシックパッケージの音合わせを行っているので、
それは音が良くなるはずです。
ベーシックパッケージは2001年にベーシックコースとしてスタートして、
5年後の2006年から「実際にメジャーレーベルのアーティストにお会いして生音・生声を参考にする。」
とマイナーチェンジを行って、パッケージ開発用の車両も年に何台か買う様になって、大変革となりました。
2018年にはFM放送のスポンサー活動で多くのボーカリストの方にお会いする機会が増えて、
JU60のピュアコンの桁数を4桁にアップする方向に行き、
ベーシックパッケージは2桁から3桁に上げる方向に向かいました。
そんな尖った音のチューンを行う事で、自分しか出来ない仕事を増やしてしまい、
でも音楽好きの方からは絶大な支持を頂いているので、寸分の狂いもない様に自分のハンダ付けの範囲は
変わらないと思います。
ジムニーシエラ スピーカーの音質アップ
今日ご紹介する1台は、先日の福岡店の作業から、スズキのジムニーシエラです。
カロッツェリアの楽ナビを装着した状態で入庫となって、ベーシックパッケージの取付と、
ベーシック防振の施工の、Wパッケージの作業を行いました。
先代まではキックパネルに10センチスピーカーだったジムニーも、
今回からドアに12センチとなり、大幅に音質改善となりました。
内張りを外して外板裏に防振マットと防振メタルを貼り合わせます。
構造が複雑なために、防振材の形を変えて、メタルの比率も多めにして、
中音域から高音域の残響に対応する様にしてあります。
ちょっと写真を撮り忘れたので、他のジムニーから写真を転用して来て、
12センチのエッジに絞りが入っている純正スピーカーは、防振の効果とピュアコンを通して
インピーダンスを若干上昇させると、切れの良い低音になり、
フルレンジで鳴っているスピーカーのツイーターの音域はピュアコンでカットする事によって、
得意な音域のみの再生に変えています。
ダッシュにはアップグレードのATX-30Jのツイーターを取り付けて、
純正の12センチと合わせて2WAYスピーカーとしています。
楽ナビは一度前に取り出して、裏からピュアディオブランドのPSTケーブルで音信号を取り出します。
いつもはグローブボックス下に取り付けるピュアコンもジムニーではケーブルを延長して
助手席下に付ける事が多く、今回も助手席下にMDF板を敷いて取り付けました。
全ての結線が終わって音が鳴る様になったら、楽ナビの音調整を行います。
まずはタイムアライメントは全てゼロにして、生声・生音に近い状態でセッティングをスタートさせます。
自分はこれまでラジオ番組の制作を通して有名なボーカリストに数十人有って来たので、
タイムアライメントを入れた時の不自然だけど目の前で歌っている様に聴こえるというのが受け入れられず、
そのボーカリストに何十人と有って生の声を知っているからと、当社に入庫される方が増えています。
13バンドのイコライザーを1カ所1クリック動かして、音を整えてから納車致しました。
ジムニーシエラのお客様は、少し前に他のお車も入庫して頂いて、
ベーシックのWパッケージを聴くとノーマルと差が出て物足りなくなると、2台目も入庫して頂きました。
トヨタ・クラウン 音質と静粛性をアップ
今日ご紹介する1台は、先日の福岡店の作業から、トヨタのクラウンです。
専用パネルのナビオーディオ付きのお車に、ベーシックパッケージの取付と、
前後のドアのベーシック防振の、トリプルパッケージの作業を行いました。
前後のドアの内張と防水シートを外して、外板裏に防振マットと防振メタルを貼り合わせます。
ベーシックパッケージなのでドアのスピーカーはそのまま使用しますが、
クラウンの場合はスピーカーの裏に6デジベルスロープの高音を減衰させるコイルが付いていて、
これが線が細くて質感が悪いのと、フェライトで強制的にインダクタンスを上げているのと、
マグネットに近いという3つの理由からバイパス作業を行い、
このスピーカーの制御は車内側に付けるピュアコンで行います。
グローブボックス下に取り付けたピュアコンは6ピース構成で、
トランクにある車両アンプにセンタースピーカーのレベル調整のパーツが付いているので、
実際には7ピースです。
210系クラウンのパッケージ開発には実車を買って実験して、
この7ピースが最適という組み合わせを探し出しました。
2年間所有していましたが、ナンバーは801を指定を取って、
90年代にスタジオで使われていた801型スピーカーの音を目指してという事で、
デモカーのナンバーは801を取っているものが多いです。
今回使用したツイーターはベーシックのアップグレードのATX-30Jで、
この年式のクラウンはダッシュのグリルがスコーカーが入りそうに見えますが、
実は開口部がツイーターサイズで、純正のダッシュは鳴らさずに
フロント2WAY+センタースピーカーとなっています。
全ての結線が終わって音が鳴る様になったら純正ナビの音設定画面を出して、
3トーンとフェダーを調整します。
フロントドアのベーシック防振をされる方は9割以上ですが、最初からリアまで防振をされる方は少なく、
音質だけでなく走行時の静粛性もアップしたクラウンが完成しました。