取付ブログ
ランドクルーザー250 スピーカーの音質アップ その2
2024-11-03
今日ご紹介する1台は、現在の宇部店の作業から、トヨタのランドクルーザー250の作業の続きです。
前後のドアのベーシック防振が終わってインナーパネルを取り付けて・・
外した内張4枚をセメントコーティングして乾燥させています。
石灰石の成分が多く含まれているからセメントコーティングと名付けていますが、
実際にそのままのセメントを薄く塗ると直ぐにひび割れてしまうので、
つなぎに使うたわみを持った成分の良し悪しが音質と耐久力の決め手となります。
写真はちょうど乾燥の終わりかけで、青白い化学変化を起こす前と、
茶色くなって化学変化を起こして安定した部分が混在して見えます。
またセメントコーティングの作業中は裏のコーティング剤が浸みてはいけない部分に
マスキングがされていますが、表面にはかなり厚いマスキングがしてあり、
すれてもキズが入らない様にしてあります。
フロント周りではツイーターをJU60を使ったプレミアムベーシックにするので、
マスキングしてワイドスタンドを製作しています。
ワイドスタンドが完成してダッシュに取り付けると、純正のJBLツイーターよりもドームが大きく、
ツイーター自体の重量もあるので、広い音域で安定した高音を再生させます。
JU60の音域が広いので、ダッシュで上向きのスコーカーは上の方の周波数を出さなくてよくなり、
ガラスの反射で聴こえる音域が減って、音のクリアーさが大幅に増しました。
グローブボックス下には4連ボックスのピュアコンを取り付けて、
これに後付けコイルを加えて6ピース構成で6つのスピーカーの音域をコントロールします。
JU60で使うピュアコンはこれだけ種類があり、この棚からユニットを車まで運んで、
あれでもない、これでもないとどんどんユニットを替えて行って一番生音・生声に近い組み合わせを探します。
段々良い組み合わせに近づいて来たのですが、左右のスピーカーの間にステレオ成分が出来て来ると、
モノラル成分を足しているセンタースピーカーが強く感じる様になり、
アッテネーター回路を入れてレベルを適正化しました。
最近のトヨタ車のディスプレイオーディオは3トーンとフェダーがセンターで何も動かさないのが
一番音が自然な場合が多かったのですが、ランクル250のJBLサウンド車では動かさないと
フラットには聴こえませんでした。
今回のJBLサウンド車はフロントの3WAYの状態がパッと聴きフラットに聴こえていましたが、
実は同じ音域が広範囲に重なっていて、ドアの外板が柔らかかったので音が外に漏れていて、
ここを改善した事によって真にフラットな音で低音も力強くなり、
JU60はJBLの60周年記念ユニットなので、真のJBLのプレミアムサウンド車に改善されました。
ランドクルーザー250の最高級グレードにピッタリ合った、素晴らしいサウンドに仕上がりました。
昨日の宇部店の作業
2024-11-02
昨日は宇部店にいて、
ハイローコンバーターの進化版の『コントロールコンバーター』の製作を行っていました。
試作品を作っている時はちょうど福岡店で作業に空きがあったので柳井君にしてもらっていたのが、
今は誰も作業で手が空いていないので、自分で穴あけを行いました。
ただ組み立てていたら問題が起こって、ボリームの軸が長い物を使用しているので、
下の基盤に付いているトランスと当たってしまってフタが閉まらないので、
基盤のパーツの配列を右側を内にずらして、
端を切り取って内側に寄せて付けてバリュームの下とトランスの上が当たらない様にしました。
ただこの作業が災いして、右のパーツを一度ハンダを溶いて外して、
内側に移動したら一回しかハンダ付けしていない左に比べて音の新鮮さが無いのです。
そこで右の再ハンダした側の基盤を切り取って、新鮮な左側のみを切り取って左右にして、
それで本来の音が新鮮で艶のある音で鳴ってくれました。
なので2台作ったつもりが1台分しかなく、2台目をこれから製作するところです。
一方ピット裏のカーポート下ではホンダのNボックスがジャッキアップされていて、
タイヤハウス周りの防振作業に入っていました。
もう1年乗られているお車なので、タイヤハウスのカバーは一度洗浄を行います。
洗浄を行ったら新聞紙の上に並べて・・
防振材を吹き付けて行きます。
成分配合はセメントコーティングは異なっていますが、
共通部分はたわみ成分を持たせてひび割れを起こさない線分で、
最初は青白い色から乾燥して化学変化を起こすと茶色に変わる部分はセメントコーティングと同じです。
この成分は宇部市あすとぴあにある『山口県産業振興財団』の計測器を使って
X線照射を行ってデーターを取っており、
石灰石の加工で政経を立てている会社が多い山口県ならではの設備で、
お金のかかる計測器を持てない会社が多いので、県の予算で数千万円する機械を購入して、
数万円で山口県の企業に使える様にしている事業を利用して、開発を行っています。
外した内張裏の鉄板部分にもコーティング剤を吹き付けて、作業が終わったらマスキングを外します。
まるで全塗装の様なマスキングで、
出入りの業者がこれを見て「何をしているんですか?」と不思議に思われた様です。
マスキングを外して、今日お客様に納車致します。
前にタイヤハウス防振を行った青いNボックスに続いて、今回の白いNボックスで2台目となりますが、
一台目できちんとした計測データーが残っているので、二台目以降のお客様は安心して作業に預けて頂けます。
カローラクロス カーオーディオの音質アップ その2
2024-11-01
今日ご紹介する1台は、現在の福岡店の作業から、トヨタのカローラクロスの続きです。
ドアの内張は一度吸音フェルトを外した後に表面のツルツルではコーティング剤が乗らないために、
粗目を付ける下処理を行ってからコーティング剤を塗り付けます。
意図的に厚い薄いをランダムに作りながら塗って、ドアが重たくならない割に防振効果を高めています。
表面が茶色になって完全に乾燥したら、吸音フェルトを元に戻して、
吸音フェルトの手前でかなりロードノイズを抑えているので、かなり静かなドアで断熱性も高めています。
今回はベーシックパッケージではないので、純正の16センチスピーカーは取り外して・・
16センチを13センチに変えるインナーバッフルを製作して、
裏に金属にラミネート加工を施した取り付けて、雨に濡れるのを防いでいます。
何も貼ってなかった外板裏には、
4種類の共振点の違う材質を10カ所に貼り合わせて、ドア全体の響きをスムーズに落として、
同じ材質を大量に貼る防振と違ってスピーカーの音の響きが妙にブーミーに強調されている部分がありません。
つまり本来の音色に合わせるために複数の材質を組み合わせて、
どこにどの材質を貼るかというのがチューニングの肝となっているのです。
外板裏の防振が終わったら内側のインナーパネルを取り付けて、内張を元に戻せばドアの作業は完了です。
電気的な作業ではディスプレイオーディオの音信号をグローブボックスを外して取り出して・・
Aピラーを外してピュアディオブランドのPSTケーブルのツイーター用を根元まで引いて行きます。
今回はラゲッジにサブウーファーを取り付けるので、
バッテリーから電源を取り出して、ウーファー用のパワーアンプまで送って行きます。
今日のところはここまでで、これより先は『その3』でお届け致します。
ランドクルーザー250 スピーカーの音質アップ その1
2024-10-31
今日ご紹介する1台は、現在の宇部店の作業から、トヨタのランドクルーザー250です。
プラドの後継と言われていますが、寸法はかなり大きくなっていて、後ろのアウトランダーが小さく見えます。
また横に3連のヘッドライトは鋭く、海外の軍用車?という様な見た目です。
今回は初めての入庫で、まずは純正状態の音を聴いて、それからベーシックパッケージの開発方針と、
ドアの防振材の貼り位置を決めて行きます。
ランドクルーザー250は全車ディスプレイオーディオ付きで、
標準仕様とJBLのプレミアムサウンド車があって、今回はJBLのプレミアムサウンド車への取付です。
まずディスプレイオーディオで音楽を再生すると、
低音の量はそこそこ出ているものの、どこか位相ズレした部分が混じっていて、少しエコーがかかった様で、
ビシッと鳴る低音ではありませんでした。
ドアの内張とインナーパネルを外すと、外板板の裏はこのクラスにしては珍しく何も貼ってなくて、
それが量はそこそこ出ていてもビシッと低音が聴こえない原因でしょう。
またドアのウーファーは16センチをかなり超える大きさで、
表面積で量を稼いでいて、表面に音響レンズとトヨタが呼んでいるプラスチックの穴あきカバーが付いていて、
これで中音域が出にくい様にして、低音のみの再生としていました。
他のトヨタの車種ではマグネットの横にコイルを付けて、それで中音をカットしていましたが、
250のJBLでは電気的ではなくて、物理的に中音を抑えていました。
ダッシュの上には中音用のスコーカーと、
ピラーの根元にツイーターが付いていて、中音と高音の量は出ているものの、
スコーカーの一番上の音とツイーターの一番下の音が広範囲に重なっていて、
短時間聴いた時はそうでもありませんが、長時間音楽を聴いていると疲れる感じがします。
中音用のユニットはスピーカー裏に何もパーツが付いていなくて、ストレートで音を鳴らしていて・・
ツイーターの方はコネクターの上の方に小さなコンデンサーが付いていて、
これで6デジベルスロープで緩やかに中音をカットしているので中音に近い部分が残っていて、
ツイーターに対して直列接続で質の低いパーツが入っているので、聴き疲れしてしまう原因になっています。
この丸で囲った部分がピュアコンのブラックボックス1個で制御する訳ですから、
当然音の表現力はアップします。
またツイーターのドーム径もやや小さく、
スコーカーと同じ音域が重なっているのに進む方向が違っているので、それがキャンセル気味に鳴っていて、
それらを全て合わせて長時間聴いていると聴き疲れする原因だと突き止めました。
原因が分かったらそれを改善するために作業を進めて行き、指で鉄板をはじいて防振のポイントの探り出しと、
ピュアコンを使って後付けツイーターと純正スコーカーをどの音域でクロスさせるかを決めて行きます。
今の時点ではここまでで、これより先は『その2』でお届け致します。
月末の水曜日はFM山口で生放送
2024-10-30
今日は月末の水曜日で、新山口駅北口にあるFM山口のゼロスタジオに生放送で喋りに行く日です。
番組は毎週月曜日から木曜日までの15時から18時55分まで放送されている、
大和良子さんがパーソナリティーの『コージネス』の中で、16時30分ぐらいから少し喋らせて頂きます。
今日は先日FM福岡の本社スタジオで収録した、ピアニストの小曽根真さんの番組が、
よいよ11月2日の11時30分からの放送となるために、その告知をさせて頂きます。
小曽根真さんは11月29日の金曜日に、福岡シンフォニーホールで、
ジャズとクラッシックをクロスオーバーさせたライブを行われて、どんなライブになりそうとか、
小曽根さんの音楽に対する思いなどを話されます。
小曽根さんの音楽に対する思いなどを話されます。
今日のコージネスの中では、小曽根真さんと自分の10年以上のお付き合いで、
こんな事がありましたみたいなお話をしますので、
興味のある方は地上波かラジコのタイムフリー機能を使ってお聞き頂きたいと思っています。
2日の放送は過去にFM福岡とFM山口でレギュラー放送されていた、
『サウンドピュアディオプレゼンツ 音解(オトトキ)』の1回だけの復刻版ですが、
1回だけと言いながらも小曽根真さんは今年は2回目の登場となります。
それと今回自分の肝入りの部分は、パーソナリティーが初めて坂口カンナさんにお願いしていて、
カンナさんはFM山口は初登場だと思います。
現在はFM山口で一日に何回か『音解・小曽根真スペシャル』の番組宣伝で声が流れていますが、
うちの娘と同じ歳で、いつかうちの娘とのガールズトークの番組が出来たらいいですね、
と収録の時にも話していました。
本日10月30日の16時30分からと、11月2日の午前11時30分からと、
サウンドピュアディオの関係した放送が2つもあります。
どちらも是非お聞き下さい。
追伸
本日は宇部店のピットにランドクルーザー250が入庫していて、
ベーシックパッケージの開発と、ドアの防振のポイントの探り出しを行っています。
製作室はチューニングしたハイローコンバーターと、ハイローコンバーターを大型化して
左右のパンポットの調整が出来る『コントロール・コンバーター』の比較試聴を行いました。
専務は「こんな大きな物をどこに付けるんですか? これは売れないでしょう。」と言っていたのが、
音を聴いた後に、「これ1週間以内に何個出来ますか?」と聞く始末で、
「さっき売れないと言ったでしょう。」と心の中で思いましたが、
こういう自分の車のために作った製品は結局、自分の車に付くのは後回しになります。