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取付ブログ

今のサウンドピュアディオが出来るまでの40年史+12 第9話 1983年から85年

2023-01-16
今のサウンドピュアディオが出来るまでの40年史プラス12年は、
年末にやっとカーオーディオ専門店を宇部市にオープンさせたという所まで行って、
今日は普通のカーオーディオ専門店から他のカーオーディオ専門店と違う道に歩み出した頃の
お話を書き込みたいと思います。



オープン当時はまだ取付キットと呼ばれる物がほぼ無い状態で、
音の良し悪しよりも純正のパネルを糸のこぎりと金切りのこの刃とカッターナイフで上手い事加工すれば、
量販店で取り付けた切り口がガタガタの取付よりもオシャレというだけでお客様が集まっていて、
音に対するセンスは選ぶ商品の組み合わせで差を付けている時代が1984年頃まででした。



1983年から4年といえばマイケル・ジャクソンの大ヒットアルバム『スリラー』や、
ヴァン・ヘイレンの『1984』などの洋楽のヒットアルバムが多く、
家のオーディオではなくて車の中の方が音楽を聴く時間が長いからと、
カーオーディオの需要が増えて来た頃でした。



ただこんなチャンスを量販店が指をくわえて見ている訳はなく、
そのうち取付キットなる物が出て来て、パネル加工の差でお客様が集まるという時代も過ぎて来て、
更に取り付け工賃がサービスという量販店の販売方法も専門店の集客や収益に影響を及ぼして来て、
楽ではない周期に入って来ました。



ここでプラスチック加工の綺麗さで集客から、鳴っている音質の差で集客に舵を切る時が来て、
またカーオーディオの製品自体はカーアクセサリーとしての需要が高まって、
キラキラ・ピカピカと光る物が量販店の店頭に並び、それがマーケットで主役となって来ました。



当時はアルパインとケンウッドの2社に力を入れていたのが、
まずケンウッドはホームオーディオの様なシルバーのパネルに、
大型の丸いツマミで他のカーオーディオとは違うイメージだったのが、最も光る様なデザインに変わり、
専門店から量販店向けの商品に変わりました。



アルパインは遅れて派手になったのですが、当初はオートイコライザーという、
マイクで音を拾って自動で強弱を付けてフラットにするという商品が出て来て、
たまたまそのデモカーを作らないかという話があって取付を行ったのですが、
これが何故か何回ピンクノイズを出して測定してもフラットになってしまい、
これではデモにならないという話になりました。



これが自分が知らないうちにフラットの方向に音を持って行ける才能を持っていて、
なぜこんな風になるかは自分でも分かっていませんでしたが、
無線で培った技術や無線で知り合った方に放送局に努めておられた方が多かったので、
何回か放送局を訪ねた時に『本来音楽の音がこういうもの』というのが身に付いていたのでしょう。



そんな事があった後にアルパインもケンウッドの後を追って派手な方向に行き、
段々販売したい物が無くなって来た時にナカミチというブランドとJVCというブランドが出て来て、
派手なイルミは無いが自然な音質が売りのメーカーがやっと出て来て、これが次の主力商品となりました。



そういう販売方法だったために量販店では買いたくないという品の良いお客様が良く来られていて、
その中に投資家のお客様がおられて、株の売り買いで利益が出たら買い物に来て頂ける方でした。



その方がある日買い物ではないけれど来店されて、
「○○○というメーカーが凄く売れる製品を出したというけど、その商品ってどうなの?」と
聞きに来られました。



自分は「値段が安いのにやたら機能が多くて、狭いパネルにいっぱいスイッチが付いて、
あれは将来故障の原因になるので、その商品はうちでは販売しません。」と答えました。



するとそのお客様が投資家向けのメーカーの情報というのを見せて下さって、
そこには『低価格で多機能な製品を発売して、市場でのシェアを拡大する』と書いてあって、
「えーっ、こんなの量販向けで、何年かで使い捨てですよ。」と自分が答えたら、
「じゃあここの株を買うのはやめておく。」と言われて帰りました。



それから何か月か経ってその投資家のお客様が来店されて、
「あの時あそこの株を買わなくて良かったよ。」と言われて、
メーカーが株価が下落すると目先のシェアを上げるために安くて多機能な商品を投入して、
投資家の気を引くというのが分かり、そのお客様から投資家向けの情報を聞いていたのが、
後には自分で投資家向けの情報を入手する様になり、メーカーの本音と建て前を知る事となり、
他のお店がメーカーの言いなりになってつまづくのを横目で見るみたいなビジネスが出来る様になりました。



しかしその後もメーカーの新製品発表会の話と投資家向けの情報は180度違う話が多く、
例えば専門店の前では「これからも専門店を大切にして行きます。」と言いながら、
投資家向けの情報では、「これからは量販店や自動車メーカー向けに販売を進める。」と言っており、
「カーオーディオ専門店はこんな話を信じていていいのか?」と、
業界の未来に不安を感じながら毎日を過ごして行きました。



今自分のカーオーディオ専門店としての40年を振り返った時に、
品の良いお客様を中心にビジネスを考えていた事で、その投資家のお客様と知り合えて、
正しい情報を元に会社を運営出来て良かったと感謝しています。



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