取付ブログ
手巻きコイルとオリジナルケーブル
2023-02-13
純白のボビンにピンクのラベルでおなじみの井川の手巻きのコイルは、音が良いと評判ですが、
巻きの少ない値しか使っておらず、ある程度の巻き数になると機械巻した物を使用しています。
かなり強い力でキリキリと音をたてながら巻いているのですが、
先日どこまでの長さが巻けるか手巻きしていたら、ボビンが途中でポキッと折れてしまいました。
材質にほんの僅かにたわみを持たせているので、空洞部分に長時間強い力をかけていたら折れたのでした。
試作用の透明のアクリルのボビンの物を見たお客様が、
「これが良い音がするコイルなんですね。」と言われた事があるのですが、
透明の見た目=音も透明と思われがちですが、実は固すぎて音も固くなって不自然になるので、
これは試作で終わっています。
少ない巻き数で手巻きの良い所は普通は半周ごとしか巻き数が変えられないのですが、
途中に刻みを入れて超微調整が出来る様にしています。
上の写真は最初は終わりが半周で留めたらインダクタンスが少し大きくて、
半周の3分の1に刻みを入れたら今度はやや少なくなって、
その半分に刻みを入れて欲しい値になったという状態です。
これで音が変わるのかと思われそうですが、ピュアディオは音をお客さんの好みに造作するのではなく、
音楽の本来の音色に合わせるためにピアノの調律の様に細かく合わせているのです。
そのためにFMラジオのスポンサー活動は欠かせず、
実際にボーカリストの方にお会いして生の声を確かめて、
その声のトーンに合っているかどうかで音調整を行っています。
コイルの他にはオリジナルケーブルのPSTは現在フルレンジタイプの茶色と、
茶色に赤みがかかった高音域専用の2タイプがあります。
高音域用よりもフルレンジタイプの方が出る割合が多く、
先日フルレンジタイプの100メートルロールが20巻工場から届きました。
写真撮影した時は福岡店用に持って行かれたので右側が4巻しかありませんが・・
100メートルロールを作る前に数十メートルをテストで生産ラインを流した物も受け取っています。
よく無印のケーブルをオリジナルケーブルと呼んで販売しているお店もありますが、
ピュアディオの場合は生産ロットを一定期間借りて、それで専用の材質とより方と被覆の締め付けで、
色付けの無い正確な音色で鳴らせる様にしています。
専務からは「オリジナルケーブルは在庫負担が大きいから市販の物で同じ様な音が出れば替えて欲しい。」と
言われて何種類もテストしましたが、やはりこれでないとスタジオの様な音とは言えないので、
今回再生産する事になりました。