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取付ブログ

今のサウンドピュアディオが出来るまでの40年史+12 第12話 1993年から96年

2023-02-19
この今のサウンドピュアディオが出来るまでの40年史は、
前半の19年が『カーオーディオ専門店オーディオボックス』の名前で営業していて、
後半の2001年以降の21年がサウンドピュアディオで営業していますが、
まだオーディオボックスで営業して時期の方が長い感覚があります。



それもそのはず、今回の1993年から1995年はカーオーディオ業界が最も売れていたというか、
ある意味戦国時代みたいだった頃で、オーディオボックス時代は深夜1時ぐらいまで
作業していた事もあるので、実質働いていた時間は19年間の方が後の21年よりも多いかも知れません。



とは言っても自分は自営業のために何時間働いても問題なく、
それでも取付待ちが2カ月から3か月待ちで、
メーカーはもっと売り上げを上げたいから周りに専門店向けブランドを扱うタイヤショップや量販店を
どんどん作って、こういうのを乱売と言うのだろうなという時代がありました。



当社はBOSEのスピーカー・1060が一番下のクラスで、
中級クラスがナカミチのSP-50S・10Sで、上級クラスがB&WのAM-50とATX-40で、
スピーカーの売り上げの80%以上がこの3銘柄でという、メチャメチャヒットした商品がありました。



ただ世の中全般に売れていた訳ではなくて、一般的にはあまり音にクセが無いタイプの物は好まれず、
「これがこのメーカーの音だ!」という主義主張の強い銘柄を評論家の先生がほめていたので、
評論家の先生の評価とは別な我が道を行っていたのですが、
元が放送局のプロ用のモニタースピーカーの音で耳が慣れていたのでその様な音が受け入れられず、
そういうのが好きなお客さんはそういう店にお願いしますという感じでビジネスをしていました。



その頃はカーオーディオ専門誌が何誌か出ていて、
そういった本で色んな店を廻って自分の好みに合う店を探そうみたいな事が書かれていた時代で、
遠くからショップ巡りをして来る人も多く、
この時代に何んとか自分の店で買ってもらおうと各店の商談時間が伸びて来て、
2時間を超えて3時間4時間が当たり前になって来て、
自分は取付が間に合わないので長話に付き合っていられないので話を早く切り上げていたら、
「あの店は長く話してくれないから悪い店だ。」みたいなレッテルを貼られる様になりました。



ただ長く話す店が良い店とは自分は思っておらず、
良い設備を用意して良い音を表現しようと思うとその時間をどうしても作業に費やしておかないと
設備がチープになってしまい、逆を言えば設備がチープな店ほど長話で友達になって
買ってもらうという考えで、でも一人のお客さんが3店4店を廻って1店で買い物をしているので、
ここにはまると話だけして何も売れない店が出るところから、
多くあったお店がどんどん無くなって来る時期でもありました。



そんな時期にカー用品業界に激震が走り、
カーオーディオ専門店がのんきな商売が出来なく時期がやって来ました。



それはタイヤメーカーのブリヂストンが大手量販店の安売りに嫌気がさして、
「良い製品を作ろうと思うとある程度の開発費が必要だ。
量販店の値引き要求に応じていたら良い製品は出来ない。
タイヤ館というブリヂストン独自の販売ルートを作って、量販店には頼らない!」という事になったそうです。



この話はブリヂストン系のタイヤ屋さんから聞いた話で、
大手量販店はタイヤ館に奪われた売り上げをカーオーディオで補うと
店頭にカーオーオーディオの大量展示を始めて、これが世に言う『ひな壇』と呼ばれた物で、
遂にカーオーディオ販売は完全な戦国時代に入りました。



これによりカーオーディオメーカーはこぞって専門店から量販店に販売比率を変えて来て、
何と高級メーカーのナカミチまでが量販店専用の安いモデルを作るという、
完全に世も末的な時代になりました。



ただ量販店の恩恵もそれなりにあって、年末・年始にセールでカーオーディオを大量に販売して、
その時の荒い取付から不具合も多く、2月ぐらいに「ちょっと調子が悪いので・・」と
量販店で取り付けられた方が来られて、「何か1品か2品買ってもらえれば手直しします。」という事で
打ち上げが上がって、気が付けば1年の中で一番売れない2月が1年を通して一番売れた月というのが
2回もあったという、信じられない状態になりました。



ただそういう時期も何年も続かず、もちろん当店に持って来られる方以上に来られない方が多く、
知らないうちに後付けのカーオーディオがどんどん売れない市場が出来て来ていて、
あの2月が一番売れた様な量販店の取付の悪さが市場を小さくして、
ブリヂストンの様に量販店に売ってもらわなくてもいい!ぐらいの強いオーディオメーカーがあったら
こんな事にはならなかったのにと、自分の様な小さな店の人間には市場をどうにも出来ないというのが
実際のところでした。



それでも当時ナカミチのSP-50S・10SやB&WのAM-50・ATX-40を買われた方は
長きに渡ってお客様としてお付き合いして頂いていて、クセの少ない飽きの来ないスピーカーを
販売していたから長くお付き合い出来ているのかな?と、この40年史を書きながら思っています。



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