取付ブログ
新・お客様の質問にお答えして 第51話
2023-12-13
お客様の質問にお答えするシリーズは、日ごろ自分が店頭でお客様から頂いている質問を、
これは他の方も知りたい内容かも?と感じた事を書き込んでいます。
今日のご質問は、「ツイーターとミッドの音の調整はピュアコンを使っているのに、
なぜミッドとウーファーの調整はピュアコンを使っていないのですか?」という、
けっこうこれまでに何度か質問頂いた内容で、よく考えたらこれにかんしてはこれまで答えていませんでした。
どの周波数で音域を切っているかは秘密の部分もありますので、
大雑把な数字で表現しますと、ツイーターの種類にもよって違いますが、
例えばJU60とZSPは4キロヘルツ付近で役割分担を分けているとします。
JU60とZSPの調整ではブラックボックスだけでこれだけの種類があり・・
ミッドの周波数を決めるコイルは初期モデルのMID用がブラックの物だけでこれだけの数があり、
その中から最も合う数字の物を1品選んで取り付けます。
これはLTD15を使ったブラックボックス4連のピュアコンで、
この組み合わせが選ばれるまでかなりの数を交換して最も生音・生声に近い値を選んでいます。
それを考えたらミッドとサブウーファーの繋がりもピュアコンを使って欲しいという要望が
1990年代にから既にあって、その頃はピュアコンで全帯域の3WAY用の試作品も作ってみました。
ただし困った事は大きさで、ツイーターとミッドがクロスする周波数が約4000Hzとすれば
ウーファーの音域では80Hzとなり、大きさが4000÷80で50倍となります。
これはラゲッジに付けるには無理で、
ホームオーディオが320Hzから400Hzで13センチスコーカーとウーファーを繋ぐと
大きさは4分の1から5分の1で、何とかエンクロージャーの中に入れる事が出来ます。
またホームオーディオでは鉄心入りコイルのインダクタンスが大きい割に
大きさを半分以下に出来る方式を使っている物もあり、
それで3WAYを1つのエンクロージャーの中に収められるので、カー用とは違う訳です。
そこで鉄心入りのコイルを車のトランクに入れてはみたものの、
それでもかなりの大きさがあり、鉄心でインダクタンスを無理に上昇させているので、
音に変な勢いが付いていて、大きさ以外に音色の意味でも使う事が出来ませんでした。
そこで考えたのがチャンネルディバイダー方式で中をチューンして音のクオリティーを上げる方式で、
これは2001年にピュアディオブランドを立ち上げた時からスタートしました。
今ではデジタルプロセッサーの中をチューンして、タブレットで細かく調整出来る物や、
デッキが交換出来ない車種にはハイローコンバーターをバラバラにしてチューンして組み替えた物など、
電子的に微弱な信号をコントロールする物と、
ピュアコンの様に一度スピーカーを駆動する信号になった音をコントロールする物の組み合わせで
音を良くしています。
1990年代に作ったとんでもなく大きなウーファー用のピュアコンは、
今の宇部店に1999年に引っ越した時にどこかに行ってしまい、今は見る事が出来ません。
今回はウーファーにピュアコンは使わないのですか?というご質問にお答えしました。