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取付ブログ

続・お客様の質問にお答えして 第8話

2024-05-10
続・お客様の質問にお答えするも第8話となり、自分が店頭でお客様からのご意見を頂く事も多くなりました。



2人・3人と同じ質問を頂いた場合にはなるべく早くブログで取り上げさせて頂きたいと思っています。



最近もっとも多い質問は宇部店が作業が遅延していて、
福岡店を一時的に閉めて宇部店の作業を手伝ったりしていて、
「この遅延はいつまで続くんですか?」という質問と、
「社員を増やしたらどうですか?」という事は度々聞いていました。



その遅延の原因はうちの息子のうちの一人が病気で入院して手術をして、
それが原因で一人メンバーが足らなかったというのが最近まででした。



息子も連休前に手術が終わって退院して、3日の連休の後から普通に出て来て仕事をしておりますので、
ここから先は通常のスケジュールで仕事を進める事が出来ますので、
お客様各位には大変ご迷惑をおかけした事をお詫び申し上げます。



それと関連してお客様から従業員を増やしたらというご意見も頂きましたが、
せっかくお気遣い頂いたのですが、滅多な事では社員を増やすつもりは御座いません。



その理由として年々車が変わって来て、
10年・20年前にこれで行けたという習熟度では作業を進める事が出来ず、
今回息子が入院した原因も社員を入れたにも関わらず、
全く役に立たずにその分を井川家家族が余分に働いて給料を払った結果で、
こちらが望む技術をあらかじめ持っている人がいれば雇いたい気持ちはありますが、
そういう人にはなかなか巡り合えないというのが現状です。



特に自分が行っているコイル巻きやコンデンサのハンダ付けなど、
学生の頃から何度もそういった作業をして知らないうちに身に付いた技術を、
給料をもらってハンダ付けをしたら、これだけの材料をダメにしても技術が習得出来ずに、
給料とボーナスと材料代を全て捨ててしまい、これから産業廃棄のお金を払って処分しないといけません。



自分は中学生の時に2800円するパワートランジスタをダメにしてしまい、
高校生の時には基盤込みで8000円するガリュームヒ素入りのトランジスタをダメにしてまい、
大事なお小遣いが飛んでしまったのでハンダ付けなどには特に注視していて、
それが逆に良いハンダ付けで、自分で言うのもおかしいのですが『神業!』です。



社員には「これは簡単に見えるけれど神業なので。」と言って作業を見せているのですが、
それが出来るのならこんな事にはなっていないでしょう。



そのピュアコン内・外のハンダ付けは放熱クリップを付けて熱がコンデンサ側に行かない様にして、
それでもハンダ付けして直ぐにラジオペンチで絞めて、
ある程度熱を抜いてからエアーで急冷却をかけて良い音を表現しています。



逆にだらだら熱してペンチで挟むのに時間がかかって、
エアーダスターを持ち替えるのに時間がかかると炙りハンダと呼んでいる
コンデンサに熱が伝わって音が荒くなってしまい、検査で「これは使えない!」になってしまいます。



またディスプレイオーディオなどの普及で良い音を出すのに
これまでの精度と同じものではなかなか良い音を表現出来ず、
コンデンサの選別の桁を10倍に一度して、その後もう10倍上げたので、
2010年比で100倍の精度に上げていて、ハンダの熱で音だけでなく値に関しても上下するので、
自分以外がピュアコンの製作に手を付ける事は無くなりました。



もう一つお客様からよくお気遣い頂いているのが、
ロシアのウクライナ侵攻等で高いハンダが入手し難くなって来ているという事で、
「知り合いの工場が閉めたからそこのハンダをもらって来てあげましょうか?」という様な話を
複数のお客様から頂いています。



お気遣いはありがたいのですが、当社で使っているハンダのグレードは普通の金属の比率と違っているので、
鉛と錫の合金のハンダではリモート系の接続時しか使う用途がないというのが現状です。



このブログでは何度も出て来ている、ハンダのこぼれた物を集めて再生するという写真ですが、
このハンダにはある程度の純銀が含まれていて、それが勿体ないので再生して使っています。



炉で溶かして抽出すると、ランダムな形になってマスコットの様ですが、
気に入った物は飾っておいて、そうでない物はPMBやSKY3の末端の焼き入れで使用しています。



JU60用のピュアコンの製作やRCAやデジタルケーブルのハンダ付けは
純銀2・5%のロールで機械を通してドンドン送り出して来る物を使用していますが、
これの値段が高くてあまり使うなと経理担当の専務が言って来るので・・



輸入物の純銀5・5%のなかなか溶けないハンダに錫や鉛を混ぜて
純銀3%以上のオリジナルハンダを作っています。



棒にはならないのでまるで昭和の時代の仁丹みたいな粒にして、
錫が表にコーティングされているので光沢はありませんが、
実際にハンダ付けすると市販よりもやや純銀の量が多い物と、
機械送りで2・5%の物とミックスしてハンダ付けしています。



もちろん急冷却も怠りません。



これまではグレードが上の方のハンダ付けの話ですが、ベーシックパッケージ用のピュアコンや、
他のアクセサリー用のハンダは、複数のハンダをミックスして純銀と錫と鉛と銅の比率を調整して、
その様とで必要以上のグレードにならない様に工夫しています。



右から2本撚りで、真ん中が3本撚りで、左が細いハンダをきつく3本撚りで、
全て使う用途でこの場合はこれと分けて使っています。



無駄に必要以上のグレードを使う事は無駄で、でも確実にここまでの物は必要を細かく分けて、
コストを計算しながらも音質は落とさないをもっとうに、戦争で精度の高いハンダの入手が難しい中、
工夫して乗り切っています。



ロシアのウクライナ侵攻はいつまでも収まらない中、
更に中東の状況も悪くなり、ミサイルの誘導装置の先端にある電子回路で精度の高いハンダが使われるために、
しばらくこの苦労は続きそうです。



もう一つ手巻きコイルに関する質問とデモカーに関する質問も頂いていましたが、
今回写真を10枚使ってしまったので、
それは次回に持ち越しまして、続・お客様の質問にお答えしての第8話はこれで終了させて頂きます。



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