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取付ブログ

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今のサウンドピュアディオが出来るまでの40年史+12 第11話 1988年から92年

2023-02-02
井川のブログのこのシリーズは現在写真が無い状態でお届けしていますが、
実は古いカーオーディオ専門誌を入手して店頭のマガジンラックに入れていたら、
「こんな古い本はいらない。」と専務に捨てられてしまい、
自分が置き場を間違えたために当時のデッキやスピーカーの写真が掲載出来ない状態になっています。



なぜあんな貴重な物をうっかり人目に付く場所に置いたんだろうと、後悔してももうどうにもなりません。



さて今回の1988年から1992年は日本の自動車史としても大変革の年で、
トヨタセルシオや日産シーマやR32スカイラインやS14シルビア、
ホンダのプレリュード・インテグラ・シビック、マツダのロードスターと当り車の連続で、
カーオーディオ業界はセルシオ以外の車は多くピットに入る様になりました。



その一方で『平成元年はオーディオ元年で、10年以内にカーオーディオの専門店はぶっ潰す!』と
言っていた自動車メーカーもあったそうで、
アフターマーケットのカーオーディオの牙城を崩そうと自動車メーカーも純正に力を入れ始めた頃でした。



一般的なカーオーディオメーカーは自動車メーカーの名前が入った
市販の初級から中級モデルのオプション設定も出て来て、
自分は主力製品を純正では扱っていないナカミチをメインにして、
当時は全国に30店舗弱だったナカミチスペシャルショップに年会費15万円を払って入会しました。



このスペシャルショップに入ったのが人生の転機になって、
これまでは周りの量販店が取付工賃サービスのキャンペーンを度々行うので
なかなか工賃が取れないという仕事の受け方が、
音をきちんと合わせる調律系のセッティングできちんと工賃が頂ける仕事という風に変わって来るという、
仕事のやり方の根本が変わる様な出来事でした。



特に毎年1月に当時小平にあったナカミチの本社のコンサートホールに招待されて生演奏を聴いて、
そのCDをもらって帰って、1年間その音を基準に音造りを行って、
また次の年にコンサートホールで生演奏を聴くという、一つのビジネススタイルが出来上がりました。



ただまだ当時はディーラーや中古車店の業販の取付のみの仕事を辞める勇気がなくて、
ナカミチの製品を使った調律系のサウンドの仕事の合間に下請け仕事を受けていて、
結果的に体に無理が来て直腸を切って1カ月入院するという事態になってしまいました。



この時長男が生まれたばかりで、下請け仕事は月にある程度の安定した収入が見込めるので辞められずにいて、
さすがに入院してしまえば仕事が受けられず、遂に下請け仕事は一切やめてユーザーの方に直販のみという、
安定収入を捨てて音造り一本という決断をした時でした。



それと同時にナカミチのスペシャルショップのメンバー店の社長さんで、
自分がこの方を手本にしたいという方に声をかけて頂いて、更に自分の人生は大きく変わりました。



東京のそのショップの社長さんは自分よりも一回り上ぐらいの年齢で、
スペシャルショップのミーティングの後に、
自分ともう一人同じ年代の当時は30前の若者にデモカーを音を聴かせて頂きました。



新人にやればこんな音が出せるんだよという事で音を聴かせて頂いたのでしょうが、
自分以外のもう一人は、「この音は良い音かもしれないけれど、自分は自分のやり方で良い音を探す。」と
言って、自分は逆に「どうしてもこの音を出したいので、この音の出し方を知りたいです!」と
弟子にして欲しいみたいな事を言ったと思います。



この時の2人の若者の運命は自分のやり方を見つけるのか、
成功者のやり方を自分の物として完全に手に入れるという2つの道に分かれて、
その10年後20年後がどうなったかというと、
成功者の習慣を完全に自分の物にした方が成功者になれるという、
成功の法則みたいな考えが自分の中にあったので、素直に受け入れる事が出来て、
自分のオリジナルを入れる事無く完全にコピーする事が成功への確実な道というのを
自然に身に付いていました。



このシリーズを1話からご覧の方ならお判りでしょうが、自分は成功者の話を真剣に聞いて、
それを自分の物にするという習慣があって、無線の講師の先生に始まり、通信社の優れた社長さんとか、
不動産で成功した方など真剣に話を聞いて、複数の優れた方の手法を身に付けていました。



ただ世の中はそんなに甘くなく、カーオーディオの業界は売り上げがどんどん上がって行く一方で、
メーカーの考えが甘い施策で扱う販売店をどんどん増やして行って、なかなか集客に困る様になり、
本来は調律系でお店を選ぶはずのナカミチもどんどん販売店が増えて、
いつの間にか調律など無視して売れればいいという店が増えて来て、
そういうお店が取り付けたシステムの手直しをする工賃が収入の一部になるという、
情けない状態になって行きました。



そんな戦国時代の様なカーオーディオ乱売期を迎えた時期に今34歳の次男が生まれて、
その次男に東京のM社長の名前を勝手に付けて、次のナカミチのスペシャルショップのミーティングの時に、
「自分の息子に尊敬するM社長のお名前を勝手に使わせて頂きました。」と報告したら、
M社長は「僕の名前を付けたら僕ぐらいの大した人間にしかなれないよ。」とかなり謙遜して言われていて、
でもその事でM社長に気に入って頂いて、色々な事を包み隠さず教えて頂きました。



そのおかげで業界の戦国時代を乗り切る事が出来て、
「自分が凄いんじゃなくて、東京のM社長の指導がいいからこういう音が表現出来ます!」と、
自分の人生の中では黄金期が訪れたのですが、
今でも専務と「あの頃が一番儲かっていた。自分がトップにいるよりもナンバー2でいる方が
販売に専念出来るから効率が良い。」と話しています。



自分もこんなナンバー2時代がずっと続くと信じていたら、
ある日M社長が「カーオーディオもホームオーディオももう先が無い。」、
「いくら良い音を出してもメーカーと評論家と雑誌社が結託して良くないものを最高と書いているので、
こんな業界は引退する。」、「井川君も他に道を探した方がいい。」と、突然の引退宣言をされたのです!



これはとてもショックでした。



M社長のお店は他の人が受け継いで今もありますが、
M社長の時代の情熱とナカミチの創業者の中道悦郎氏と二人三脚で作り上げた取付・音だし技術は
ここで止まってしまうのかと不安もあって、後は自分で考えないといけないという、
ピンチに立つことになりました。



ちょうどこの頃中道悦郎さんが亡くなったというのもあって、
M社長はカーオーディオの前にされていたエレクトロニクスの世界に戻られて、
一番良かった頃のナカミチが終わったという、時代の転換期となっていました。



またこの頃カーオーディオ専門店オーディオボックスは宇部市の中野開作から
山陽小野田市の有帆に店舗を移転して、正確に音を表現するためにエアコン付きピットを設けて、
吹きっさらしのシャッターを開けただけのピットに差を付けていたつもりですが、
それが分かる方よりもブランド品を少しでも安く買いたいという人も多く、
その差が解って頂けたお客様は30年・40年経っても今でもお客様としてお付き合い頂いています。



これより先は第12話につづく



ホンダN-ONE スピーカーの音質アップ

2023-02-01
今日ご紹介する1台は、現在の宇部店の作業から、ホンダのN-ONEです。



ホンダ純正ギャザーズのナビオーディオを装着した状態で入庫となって、
ベーシックパッケージの取付と、ベーシック防振とセメントコーティングの施工の、
トリプルパッケージの作業を行っています。



ベーシックパッケージというと簡単そうに聞こえますが、
実はほとんどの車種でナビオーディオを一度取り外してから音信号を取り出しているので、
ここの作業でかなり時間がかかっていますが、この手間が良い音の第一歩となっています。



フロントドアは一度内張と防水シートを外して、ドアの鉄板を指ではじいて響きの中心と周波数を探って、
共振点の違う防振材を4種類貼り分けます。



外した内張は粗目を付ける下処理を行った後にセメントコーティングを行って、
一晩かけて乾燥させてからドアに組み付けます。



バーシックパッケージなのでドアの16センチスピーカーはそのまま使用して、
他店ではネジ1本で止まっていて音が良くないと言われていますが、
実は防振次第で国産のトレードインスピーカーよりも低音が出て、
イコライザーで絞らないとフラットにならないぐらいの量が出て、
出ない高音は後から上質なツイーターを加えると出るので、
よほどのスピーカーでない限り替える必要がないというのがピュアディオの考えです。



そのツイーターは以前から移設し続けておられるピュアディオブランドのブルードームのツイーターで、
200セットしか生産されていない希少モデルですが、
長年大切に愛用されている物を今回も移設して取り付けました。



グローブボックス下には比重が高いMDF板を敷いて、
その上にN-ONE用に新しいピュアコンを取り付けました。



白いボビンにピンクのラベルは井川が一から手巻きしたコイルで、
巻き数が少ないコイルは自分が一から手巻きしていて、一度巻いてリハーサルして、
もう一度巻き替える事で締め付けが強いQ値の高いコイルに仕上げていて、
多くのお客様から好評を頂いています。



全ての結線が終わって音が鳴る様になったら、ナビオーディオを再生して音調整を行います。



この中身はケンウッドで、音を強調する機能をオンにすると音がどぎつくなって不自然に聴こえるので、
ほぼオフにしてからイコライザー調整に入りました。



予測通り低音が強く再生されていたので、低音域をやや絞って、中高音を部分的に上げて、
トータルでフラットのスタジオレベルに合わせてから調整を終了しました。



外部入力に入れるソースの音も確認して、これから細かい部分の組み立てを行います。



マツダCX-5 BOSEサウンド車の音質アップ

2023-01-30
今日ご紹介する1台は、昨日の福岡店の完成車から、マツダのCX5です。



ドアスピーカーのグリルとピラーのツイーターのリングにBOSEのマークが入った
プレミアムサウンド車に、ベーシックパッケージの取付と、
ベーシック防振の施工のWパッケージの作業を行いました。



運転席シート下にBOSEの専用アンプが付いていて、
ドアに中低音とピラーに高音の独立したチャンネルでマルチアンプ方式で音を送っているので、
システムアップには難がある車種です。



車輛アンプから音信号を取り出してグローブボックス下のピュアコンに送って、
周波数幅とインピーダンスとレベルを調整して・・



ダッシュの後付けツイーターに送ります。



ツイーターはピュアディオブランドのアップグレードのATX-30Jで、
純正の向きとはかなり違う角度で、上質な高音を拡散させています。



ドアのスピーカーは純正をそのまま使用していますが、何も貼ってない外板裏の残響を、
防振マット3種類と防振メタルの合わせて4種類の異なる共振点の材質を組み合わせて、
ドアが重たくならない割に効果的で心地良い響きの音に変えています。



防振をプラスした事でドアの音圧も増して、高音側がやや不足して聴こえるので、
トレブルを少し上げて聴感上のフラットを保ちました。



調整項目の下の方のボーズセンターポイントと、
ボーズオーディオパイロットはノーマルではオンにした方が良いのですが、
音を整えて行くと逆に邪魔になって来るので、オフにしてセッティングを詰めて行きます。



今回はダッシュの上にマットが付けてあり、高音が吸収されているのと、
ボーズサウンド車は年式で車輛アンプの特性が微妙に違うので、
ピュアコンをカスタマイズして個別に対応しました。



2種類のカスタマイズのベースを交互にチューニングして、徐々に周波数レンジを広げて行って、
ちょっと広げ過ぎたという所でひとつ前の値に戻して、そこで組み込んで完成しました。



CX-5のお客様は以前香川県から来店されたお客様の音を聴かれて購入を決められて、
福岡県に1泊して取付にお車を出されて、昨日の夕方に福岡店を出発して四国に向けて帰られました。



遠方からのご来店ありがとうございました。



レクサスHS カーオーディオの音質アップ

2023-01-29
今日ご紹介する1台は、本日の宇部店の完成車から、レクサスのHSです。



異形パネルの専用ナビオーディオ付きのお車に、
以前JU60を使ったプレミアムベーシックパッケージの取り付けと、
ドア4枚の防振作業をして頂いていました。



今回はダッシュとドアの純正スピーカーを取り外して、
違うスピーカーに取り替えてから再びセッティングを行いました。



ダッシュのスピーカーはサイズが特殊で、
JBLの8・7センチもピュアディオブランドのISPー91も入らず、
自分が個人的に秘蔵していた特殊サイズの4Ωのスピーカーを取り付けました。



ドアは楕円のプレートに16センチの丸型が入っていたプレートを取り外して、
16・5センチサイズのインナーバッフルを製作して・・



JBLのクラブ602CTPのミッドバスを取り付けました。



HSのドアのグリルはあまり中音の抜けが良くなくて、
602CTPのスカッと抜けるタイプのスピーカーで補い、低音は最初に出過ぎるぐらいだったので、
ストロークが浅いスピーカーの方が逆にスッキリするだろうとこのユニットを選びました。



ピュアコンの値はプレミアムベーシックの時とはガラッと変わってしまい、
一から値を探るために昨日からあーでもない、こーでもないと、ありとあらゆる組み合わせで試聴していて、
最終的にはカスタマイズした値を作って対応しました。



昨日の時点ではトレブルを2個とミドルを1個上げて、
バスを1下げたところで終了しようとしたのですが、専務がこれがいけないというので、
今朝からまたやり直しをして、やっと12時前にバスがフラットで完了しました。



ユニットの特性の前にダッシュに会うサイズが無かったというのに始まって、
純正のユニットを変えるとこんなに苦労するのかと知らされた作業で、
これから先はプレミアムサウンド車が増えても減る事は無いので、
他では出来ないインピーダンス変換技術を持った、
サウンドピュアディオの時代になったと言ってもいいでしょう。



スバル・ジャスティ カーオーディオの音質アップ

2023-01-28
今日ご紹介する1台は、昨日の福岡店の完成車から、スバルのジャスティです。



スバル純正の大画面ナビオーディオを装着した状態で入庫となって、
プレミアムベーシックパッケージの取付と、ドア防振の施工と、ドアスピーカーの交換作業を行いました。



まずはフロントドアの内張と防水シートを外して、
何も貼ってない外板裏に防振マットと防振メタルを貼り合わせます。



響きの中心を見つけて、その場の響きの周波数を抑える材質を8カ所に貼って行き、
ドア全体の響きを静めます。



ちょうどこの角度からだと4種類の共振点の違う材質が見えます。



次に純正の16センチスピーカーは取り外して、13センチサイズのインナーバッフルを製作して、
ピュアディオブランドのZSP-LTD15を取り付けました。



ダッシュにはワイドスタンドを製作して、
JU60ツイーターを取り付けて、ピュアディオ推奨のハイエンド2WAYの構成になりました。



ナビオーディオからはピュアディオブランドのPSTケーブルで音信号を引いて来て、
ブラックボックス4連のピュアコンを通して、
周波数幅とインピーダンスとレベルを調整して各スピーカーに送ります。



ナビのイコライザー調整に入る前にタイムコレクションは全てゼロにして・・



イコライザー調整を行ってプリセットをしてから音を確認して、また動かしてプリセットしてを繰り返します。



不思議と良い音と思ってパターンを決めてもプリセットすると音がやや抑圧されて、
後であれっ?と思う事も多く、イコライザー調整は時間をかけて色々なパターンを試して、
最終的に最も生音・生声に近いパターンを探ります。



ジャスティのドアスピーカーは下の方にあり、ドアからの高音域が薄く聴こえるため、
ドアの上限周波数とツイーターの下限周波数を少しずつ伸ばして行き、
それでバランスを取った上でイコライザー調整を行って音を整えました。



このバランスのとり方が絶妙で、多くの演奏者やボーカリストにお会いして
生の音や声を知っているからこその音調整を行って、
自社のネーミングの勝手知ったるサウンドピュアディオスタジオからのFM放送の音も含めて、
他店では絶対に出来ないセッティングで仕上げました。



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